
イベント概要
- タイトル: Rails Night: 急成長スタートアップの本番コードを解剖する
- 日時:2025年1月28日(火) 19:00〜21:30
- 会場:株式会社MIXI 社員食堂
- 対象:Railsエンジニア、他社の開発現場の裏側に興味のある方
- 参加者数:約30名
このイベントは、Railsスタートアップ各社が実際の本番コードや開発フロー、苦労話をざっくばらんに語り合い、参加者同士がディープな技術議論を行う貴重な場となりました!
参加者の方からは「普段他の会社のコードを見る機会は無いので勉強になった!」「また開催してほしい!」と良い反応を頂いています。参加していただいたみなさま、ありがとうございます!
イベント内容・議論のハイライト
プレーリーカード
- 具体的な数字の公開
エンジニアマネージャーの岩佐さんは、プレーリーカードにおいて、リリース当初のモデル数が18個だったのに対し、2年で88個に増加したこと、また、当初存在しなかったテストコードのカバレッジが30%まで向上したことに言及しました。
- システムの拡張と挑戦
コードの肥大化や、メンテナンス性・テストの充実度に対する改善策を議論し、現場ならではのリアルな課題とその解決策が共有されました。
登壇資料
ラブグラフの取り組み
- 細分化されたタイムスロット管理
岩﨑さんは、ラブグラフのカメラマンとゲストのマッチングについての処理について解説しました。1日を30分刻みの48枠に分割するタイムスロット管理や、カメラマンの推薦アルゴリズムも一部コードを公開し、会場はヒートアップしました。
- ラブグラフCTOの乱入
なぜか一般参加者として参加していたラブグラフCTOの横江さん。セッション中、横江さんが突如登場し、コードの改善のポイントについて、率直かつユーモラスにコメントする場面があり、参加者の笑いとともに議論が一層盛り上がりました。
3. 共通のテーマ – 複雑なコードの整理とその価値
- コールバックとサービスオブジェクトの活用
両社とも、複雑になりがちなコールバック処理や、サービス層への切り出しの課題に直面。具体的なコードの数字や実例を交えながら、どのようにして保守性と拡張性を担保しているかが議論されました。
- 事業価値としてのコードの意義
イベントの締めくくりで、YassLabの安川 要平さんは「どんなコードだとしても、事業として価値を生んでるコードは素晴らしい」と力強く述べました。この言葉は、各社が直面する技術的な課題や苦悩を越えて、最終的に事業に貢献する成果こそが最も重要であるというメッセージとして、多くの参加者に深い印象を与えました。
会場からの質問例
- カード購入時の処理が複雑だと思うのですが、そのあたりのコードを見せていただくことは可能ですか
- 一番Fatになってしまっているコードを見せてください
- jobの設計はどのようになっていますか
- カメラマン選定ロジックはどのようになっていますか
- Gemfile を見せてほしいです。お気に入りの gem があれば教えてください
- サービス層があることで辛いことや苦しんだことなどはありますか
実況
会場の雰囲気と参加者の反応
- 熱気と真剣なディスカッション
各社の具体的な数字や実例に対して、質問や意見が活発に飛び交いました。懇親会では参加者の方同士で各社がどのように開発されているかがディスカッションされ、白熱したムードになりました。
結び
今回の Rails Nightでは、プレーリーカードとラブグラフという二つの事業を題材に、急成長する現場ならではのリアルな課題とその解決策を深掘りしました。具体的な数値や実際のエピソードを交えたセッションを通じて、参加者の皆さんが実践的な知見を持ち帰れる場になったと感じています。
特に、YassLabの安川要平さんが最後に語った「どんなコードだとしても、事業として価値を生んでるコードは素晴らしい」という言葉は、私たちエンジニアにとって大きな示唆を与えてくれました。コードを書くことが目的ではなく、その先にある事業の成長や価値創出こそが本質であることを改めて実感できたのではないでしょうか。
今後も、こうした実践的な知見を共有し、成長し続ける開発現場を支援する場をつくっていきます。ご参加いただいた皆さん、本当にありがとうございました!次回の Rails Nightもぜひお楽しみに!
登壇者紹介
プレーリーカード / 岩佐 海彦
新卒で野村證券を経て、フリーランスのエンジニアへ転身。その後、ベンチャー企業でフルスタックエンジニアやエンジニアマネージャーとして経験を積み、現在はスタジオプレーリーに所属。
注目ポイント:サービスとしての実装が進む中で、コードの成長(モデル数が63個から88個へ、テストの充実度の変化など)を具体的な数字で語り、急成長するシステムの内部構造と、その課題に対する取り組みを共有しました。
ラブグラフ / 岩﨑 弘幸
元カメラマンからエンジニアへ転身。現場での経験を活かし、特に「スケジューリング」やタスク管理の工夫について詳細に語りました。
注目ポイント:1日を30分刻みの48タイムスロットで管理する仕組みや、システム負荷の分散に対する工夫が印象的。セッション中、ラブグラフのCTOが突如乱入し、スケジューリングロジックへの率直な意見やユーモラスなコメントを交え、会場に和やかな空気をもたらしました。
【特別ゲスト】YassLab / 安川 要平
YassLab (株) 代表取締役。一般社団法人 CoderDojo Japan 代表理事。未踏ジュニア PM。早稲田大学情報理工学科卒 (修士)。IPA認定未踏スーパークリエータ、TEDxRyukyuスピーカー。
米国留学中に開発した震災対策アプリのヒットを契機に、完全リモートワーク制の会社『YassLab』を創業。RailsチュートリアルやRailsガイドを開発し、大学講義や社員研修などにも法人向けサービスを提供
【特別ゲスト】YOUTRUST / 寺井 省吾
株式会社YOUTRUST 技術開発室 品質チームリーダー
主にパフォーマンス改善やライブラリアップデートなどに取り組んでいます。 また、2023年からKaigi on RailsのOrganizerをしています。