『人手が足りない』『いい人材がいない』と、多くの企業が人材獲得に頭を悩ませているはず。中でも、優秀な学生をどう獲得するか? は採用担当者にとって大きな課題です。
2023年7月8日に開催された「スタートアップ・インターンシップ・フェス 2023」では、学生とスタートアップのマッチングの質を高めるべく、300枚のプレーリーカードが手配され、多くの出会いをサポートしました。
イベントの現場で、プレーリーカードが果たした役割とは?
運営事務局を担ったスタートアップエコシステム協会の神頭志津子さんにお話を伺いました。
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名刺を持たない学生と魅力を伝えたい企業のマッチングをサポート
──7月8日に開催された「スタートアップ・インターンシップ・フェス 2023」はどんなイベントだったんでしょうか?
神頭志津子さん
私の所属する一般社団法人スタートアップエコシステム協会は、日本のスタートアップ市場の成長をさらに速く、さらに拡大させるべく、組織 / 人材、グローバリゼーション&ダイバーシティ、ファイナンシャルという大きく3つのワーキンググループで活動しています。このうち組織 / 人材のワーキンググループでは、スタートアップ戦略「Global Innovation with STARTUPS」に基づき、学生や若者とスタートアップの交流促進に取り組む東京都と連携し、今年の1月にスタートアップへの人材流動性を高めるための大規模なキャリアイベントを開催しました。
スタートアップ・インターンシップ・フェスは、東京都と再びタッグを組み、私たちだけでなく他の支援事業者も巻き込んで開催したイベントです。
46社のスタートアップさんが出展してくださり、多くの学生が来場して賑わいました。
7月8日に開催されたスタートアップインターンシップフェスは大きな賑わいを見せた
──SIFでプレーリーカードを導入しようと思ったきっかけは?
学生さんって、基本的に名刺を持っていないんですよね。個人情報を企業とどのように交換してもらおうか、悩みどころでした。学生の来場者に、当日、紙の名刺を提供するとなったらオペレーションが大変。そんな時に、プレーリーカードがいいんじゃないかという案が出ました。
私もCIC Tokyoのイベントなどで何度かプレーリーカードを拝見して、面白いなと思ってたんです。そして、出展する企業さん用に50枚、学生さん用に250枚を用意することにしました。
登録もスムーズ。イベント全体のコミュニケーションコストを削減
プレーリーカード受け渡しブースでカードの登録を行う学生の様子
──イベント当日は、来場した学生さんが受付でチェックインしたら、すぐにプレーリーカードに登録してもらうというオペレーションでしたね
「プレーリーカードお渡しブース」を作って、そちらで登録してもらいました。学生さんたちが実際に登録している様子を見ていると、若い世代と本当に親和性が高いんだな、と感じました。みなさん、いろんなSNSやサービスで情報を登録するという作業にも慣れているんですね。
「どんな情報をマイページに入れよう?」ということに時間はかかっても、その登録自体の動作に迷っている様子は見受けられませんでした。企業さんの情報登録も非常にスムーズで、イベント全体におけるコミュニケーションコストの削減につながったのも良かったです。
カードを受け取った学生。学生用のカードデザインは、ネイビーをベースカラーにしたおしゃれなグラフィックデザイン
──学生さんの中には、ご自分の出身地をマイページに掲載されている方もいました。
本当に自由に編集できるので、オリジナリティが出せて良いですよね。それに、皆さん楽しそうに使っている方が多かったです。プレーリーカードのような媒体があると、名刺交換をしたくなるし、会話も弾みます。
学生さんにとってみれば、こうした画期的なアイテムを、実は誰もが知っているような大企業ではなくスタートアップ企業が作っているんだということが体感でわかるのは良かったと思っています。このイベントにぴったりのアイテムでした。
企業の情報発信も、学生の情報収集も、これ一枚で完結!
出展した46社それぞれのカードは、表は同じデザインフォーマットで、右側に企業ロゴをあしらった
──企業さんの活用方法はいかがでしたか?
学生さんが今、Instagram、Twitter、Facebook、LINEと、アクティブな連絡ツールが人それぞれなので、これまでの学生対企業のイベントで、企業さんが「誰とどこでやり取りしたっけ?」となりがちだったんです。でも、プレーリーカードがあれば、交換履歴が全て残るので本当に便利です。出会った学生を交換履歴から振り返り、社内に情報共有するのもスムーズです。
プレーリーカードをブースの前にセッティングする活用法
──ブースの前にプレーリーカードを立てかけて、資料を渡さなくても、読み取りで情報を伝えられるよう工夫していた企業さんも多かったです。
次回はプレーリーカード用のパネルを作りましょう!(笑)
例えば、自分が別の学生さんに説明中だったり、ブースを離れたりしている間にも、カードを読み取ってもらえば情報を伝えられるのは良いですね。資料を読んでもらうだけだとなかなか会社の魅力を多面的に伝えるのは難しいですが、プレーリーカードを使えば、動画を掲載するなど、さまざまな方法で発信することができます。
イベントのあとも長く使ってもらえるデザインに
──企業さん向け、学生さん向けのデザインが双方とてもおしゃれでした。どんなこだわりがあったんですか?
せっかくなので、学生さんにも企業さんにも、このイベントで手にしたプレーリーカードを今後も長く使っていただきたいと思って、あんまり「イベントでもらったグッズ感」が出ないようにしたんです。だから、スタートアップ・インターンシップ・フェスのロゴは裏面にすごく小さくあしらいました(笑)。
学生向けカード、企業用カード共に、裏面に小さくSIF2023のロゴがあしらわれた
マイページの情報は後からどんどん更新できますから、皆さんがこの後、どんな使い方をするのか楽しみです。何を載せるかは本当に自由ですから、学生さんは就活の自己PRにも活用していただけるんじゃないかと思います。
──肩書きのない学生にとっては、一般企業のように名刺から伺えるステータスで判断しない、肩書きではなく「個人」のやってきたことに注目してもらえるのがメリットですね。
本当に可能性しかないと思います。学生向けのイベントは来年もやるかもしれないので、その時はまたぜひよろしくお願いいたします!
Interview&Text / Chiaki Seito
Photo / Akane Sakaki
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